20年ほど前、ある都市銀行で社内公募されたコーポレートスローガン案を集計・解析し、その文章構造から、有力な表現候補の選定基準を開発する仕事をした。その後、クルマの広告表現(メイン・サブコピー、ショルダーコピー)を解析にかけ、時系列に分析したり、車格・ボディタイプごとの表現の違いをみたこともある。もちろん、アンケートのオープンアンサーの処理は、日常茶飯事である。
 スローガンや広告コピー、ブランド評価理由等のアンケート自由回答といった目的の定められた文章のテキストデータは、比較的処理が簡単で、最近ではテキストマイニングツールを利用して、説得力のある分析結果を導き出せるようになりつつある。
 Webコミュニケーションにおいても、「クレーム等のインバウンド文章」「商品評価等の掲示板書込み」等の比較的目的が定まったテキストデータは、既によく解析・マイニングの対象となり、自動レスポンスや構造把握・顧客把握といった価値づくりがWebマーケターの仕事の種となっている。
 メール、BBS、掲示板、チャット、IMと続いてきたWebコミュニケーションツールであるが、今最も注目されるのは、blogとSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が結びついた「膨大なテキストの塊の成長」だ。
 企業は、このテキストの塊を無視できなくなるときが近いのではないだろうか。
 この一定の目的や階層をもたないテキストの塊を、どう料理していけばよいのか?データ料理人としては、腕がなるところではある。